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え ぷるりぶす うぬむ * el conejo de la suerte

思い出

これはサビオラがまだ、ブエノスアイレスで過ごしていた子ども時代のお話です。







ちょうど僕が怪我をしたのは、家の中庭でだった。ボールを蹴っていた時に、ちょっとうっかりしていたんだ。ボールが地面に着かないようにと、気付かずに、そこにあった水道栓を思いっきり蹴ってしまった。
“痛!”
指が真っ黒になったよ。あれが最初で、できることなら僕の人生で唯一の怪我であって欲しいね。

最悪だったのは、その痛みだけじゃなくて、果てしなく続くおばあちゃんの小言を聞かなくちゃいけなかったこと。“あそこで遊んじゃいけません。あなたは怪我をするし、私の育てているバラがダメになるでしょう。”不機嫌そうに言われたよ。それからというもの、カシアーナおばあちゃんの言う通りにしなくちゃならなかったね。

『Un pequeno gigante』より


これは、サビオラが20歳の時に出版された本の中で回想したお話です。
足の指の亀裂骨折ということで浮かんだのがこのエピソードでした。残念ながらこの時の怪我が唯一、とはいかなかったけど。日本で紹介された何かの雑誌でもたしかこのエピソードが語られていて、このときちょうどリーベルのユースチームでボカとの試合があって、監督にまさか遊んでて怪我しましたとも言えず、練習中に怪我したことにした、と言っていたような。

そしてここで登場するカシアーナおばあさん。ブエノスアイレスでのハビの幼少時代には彼をとてもかわいがってくれたそうで、なるべく日光に当たって骨が丈夫になるようにと、いつもハビの両脚を窓際に向けて座らせていたそうです。サビオラがとても丈夫なのは、愛情と陽の光をたっぷりと受けて育ったからでしょう。

先日知って驚いたのは、怪我をしたブラガ戦で両チームを通じてもっとも走行(歩行)距離が長かったのがサビオラだったんです。10.065m。前半23分にキーパーと衝突した時に指を痛めたのだろうということですが、それでもやっぱり動ける、というか動いてしまうんですね。チーム内のそういうポジションでもあるし。

彼が試合に出れる、と自分で判断した時はチームにとってプラスになると考えた時だと思います。もし自分より他の選手の方が貢献できると思うなら出ないだろうと。個人的にはそろそろ彼のプレーが恋しいけれど、また元気にピッチを走り回る姿を楽しみに待ちましょう!
by la_fraise7 | 2010-04-18 20:07 | Recorte del Conejo | Comments(0)
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