嵐が過ぎたあとは…
《前回エントリの続きです。》
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サビオラは9歳の頃から、Riverの下部組織で、競争のなかでフットボールをしてきた。毎年次々とチームメイトがクラブを去り、ある時とうとう、15歳まで共に毎日フットボールをしてきた親友にも、フットボールを諦めなければならない時が来た。
意外だけれど、サビオラはReverのトップでプレーするほんの数年前まで、ずっと控えだったらしい。身体が小さ過ぎてね。クラブの人たちにはその才能を認められていたけれど、現場の監督にはなかなか使ってもらえなかった。試合に出られない日が続いて、一度泣いて家に帰ったことがあるんだって。そんな彼を見かねて、ある日カッチョ(お父さん)が、ハビに他のチームに移るように勧めたそうです。そうしたら、ハビはカッチョにこう言った。『パパ、僕は大好きなRiverに残る。いつかRiverのトップチームで、背番号7番を付けてみせるよ』
結果は…ね。
彼自身はこう振り返っています。『プロの世界は無理だ、と何度も言われたけれど、僕は諦めなかった。ただ、大好きなサッカーを続けることしか考えていなかった』
小さな成功を積み重ねてきた人間は、そう簡単には倒れない。自分には何が出来て、何が出来ないのかを知っているから。彼のように、何度も山を乗り越えた経験がある場合は、どんなに困難な時も自分を信じられるのだろう。たとえ目の前に障害があっても、挫折はあっても、立ち上がってまた頑張れるのだろう、ね。
彼の人生のモットーは、“嵐の後は必ず晴れる”なのだから。