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え ぷるりぶす うぬむ * el conejo de la suerte

サビオラTVインタビュー①

最初にサビオラの経歴が読み上げられ、約1分間続く。経歴が長いです(笑)。ホントはもう少し丁寧な言葉遣いかも知れませんが、ですます調だと堅いのでちょっとフランクな感じにしました。


-ベンフィカに来た時の経緯は?(質問はポルトガル語なので半分想像デス)

-この話しが出た時、まずはアイマールに連絡したんだ。彼はすでにここで1年やっていたからね。確かに他にも関心を寄せてくれたクラブがあったけれど、パブロがクラブのことや、ファンの気質を教えてくれたこと、それに10年振りに一緒にプレーできるということ…リーベルで(キャリアを)始めてからずっとまた一緒にやりたいと思っていたから。フットボール面でも個人的にも彼は親友だ。彼の影響も大きいし、それからルイ・コスタSDとも話をして、クラブのことを教えてくれ、いろいろ良い面を伝えられて説得された。それでより真剣に考えるようになって、家族にも話して、全てが合意に至ってここに来たんだ。




-ベンフィカについて知っていたことは?

S:ベンフィカの名前は知っていたし、ポルトガルのビッククラブということは知っていたけれど、ここに来るまでは実際のクラブの巨大さ、大きさには気付かなかった。

-ポルトガルでプレーすることを考えたことはありましたか?

S:いや、僕たちフットボール選手は将来どこにいてどこでプレーするかなんて、全く想像付かない。自分がビッククラブでプレーできるかどうかもわからないものだし、ベンフィカでプレーすることも、ポルトガルでプレーすることも考えたことがなかったけれど、それはバルセロナやマドリーでプレーするなんて想像したことがなかったのと同じことだね。

-昨年ベンフィカはリーグ優勝し、あなたはチームに大きな貢献を果たしました。もちろん他のチームでも素晴らしい選手であったんですが、ベンフィカというクラブがサビオラという選手をより強化し、高いレベルに戻すことに貢献もしましたよね。

S:もちろん、そうだね。僕のことをとても信頼してくれる監督に出会えて、チームメイトも僕のフットボールをより活かしてくれるプレースタイルだ。高いレベルにいられるようになるまで、いろんな事があった。マドリーではあまりプレーできなかったので、ここに来て今はとても幸せな選手だと感じている。あらゆることがうまく行っているクラブにいられて嬉しいよ。

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-最初のうちはアイマールの車に乗って練習場へ来ていましたね。アイマールの存在も大きい?

S:そう、いつも彼は兄のような存在だったんだ。僕より2歳年上で、リーベルにいた時はまだとても若くて車の運転免許も持っていなかったから、よく練習場に連れて行ってもらったり。彼はブエノスアイレス出身じゃないから、よく家に泊まって(サビオラの家はリーベルに近い)家族と一緒に食事をしたりしていた。すごく良い関係だったんだ、フットボール以外でもね。

-サビオラがベンフィカにやって来て、世界的にとても大きな、そして多くのファンがいるクラブだということがわかって…、最初の頃はどうでしたか?

S:最初はすごく驚いたよ。さっきも言ったように、ベンフィカが世界中でこれほど知名度が高いとは知らなかった。たぶんここポルトガルでは、ベンフィカ、ポルト、スポルティングが有名だけれど。特に海外に行った時に、ベンフィカのファンの多さに気付かされるんだ。例えば先日フランスに行ったときも、2万人近いファンが応援に来てくれた。優勝した時にはリスボン市内にあれ程多くのファンが集まって…そういった時に、このクラブがどれほど巨大かがわかるよ。

-ある程度は予想していましたか?

S:いいや、とても驚いたよ!良い方に驚いたね。ファンの多さ、スタンドで試合を観るときの熱狂…いろんな面で驚かされたね。

-他の国のファンとは違いはありますか?例えば、アルヘンティナのファンとか…アルヘンティナのファンは熱狂的だということは知っていますが。

S:そう、僕たちが海外に行く時、アルヘンティナの例えばリーベル×ボカ戦だけでもいいから観てみなよ、とよく話しているんだ。あのスタジアムの雰囲気は他とは全く違うからね。ここポルトガルでは似たようなところがあるけれど、例えばスペインや他の国ではフットボールは違った雰囲気だね、まるで観劇にでも行くような…。アルヘンティナではもっとファンが熱狂していて、中には試合を全く見ずに、スタンドの方を向いてずっとチームを応援するためだけに来ている人もいるんだよ。なかなか比較はできないね(笑)。

-ベンフィカに来た時、すでにアイマールとは知り合いでしたが、他にベンフィカの選手で知っていた人は?ベンフィカの選手の質や人間性で驚いたことは?ロッカールームに入って行ったときはどうでしたか。

S:そうだね、初めての新しいチームのロッカールームに入るのは少し大変な時もあるんだ誰がいるかも分からないし、どんな人たちがいて、自分をどういう風に迎えてくれるのかも分からないからね。ここでは本当に人として素晴らしい仲間たちと出会った。ポルトガル人ももちろん、他にブラジル人が多くいて…チームのロッカールームというのは、グループに分かれてしまって、グループ同士で付き合うようなことが多いんだけれど、ここではみんなが仲が良いし、いつも良い関係を保ってる。他のチームでもいつもこんな風にまとまっているところがあるわけじゃないから、さらに驚いてるよ。

-チームの特徴を例えると?

S:うーん、謙虚だね。ものすごく高いレベルの選手もいるけれど、すごく謙虚だ。マクシ・ペレイラやファビオ・コエントラォンたちはすでにワールドカップにも出場して世界的にもよく知られている選手だし、ヌーノ・ゴメス、パブロ・アイマール…それにカルドソなどこれまでに実績のある選手たちもいる。とても人材豊富なクラブで、同時に謙虚な人たちが揃ってる。それは重要なことだよ。たとえピッチの中では素晴らしい技術を持った選手が集まったクラブでも、ピッチ外で謙虚でなかったら何かを獲得するのは難しい。まずはプロフェッショナルであること、それに謙虚さがあればチームはもっとうまくいくと思うんだ。

-監督については?

S:監督は野心家だね。常に勝つことだけを考えている。ファンを裏切らないよう、いつも目的を達成するために努力している。それを選手たちに伝えてくれるんだ。クラブをしっかりと導いてくれる監督がいて、選手と監督とが良い関係を築いてる。フットボールのことをよく知っているのが大きいね。だからチームはうまくいくと思うよ(笑)。

-サビオラ、あなたはポルトガルにやってきてこれまでリーグでの試合を経験してきました。このリーグをどう思いますか。難しさはありますか。

S:ポルトガルリーグは成長していると思う。3大ビッククラブの他にもね。フットボール面よりもフィジカル面が強いね。できればもっとボールを持つようにと意識を変えていけたらと思う。後方に下がってゴール前を守る意識だけでなくね。もちろんそれぞれの監督にとっては難しいことだと思うけれど…チームによっては技術的に優れた選手ばかりを揃えているわけではないからね。でもポルトガルリーグは成長していると思うし、近い将来ヨーロッパの中でも主要リーグに加わることを願ってるよ。実際にプレーしている選手の立場でいうと、僕たちはファンの人たちにとって魅力的なリーグであるよう努力し続けるつもりだ。

〜中略〜
S:シーズン当初にポイントを失ったのがチームにとってすごく痛手だった。その後でチームが機能し始めて、勝ち続け、長い間負けなしで来ていたけれど…。最初の負けが全てだね。それが今になっても尾を引いている。今頃ポルトと優勝争いをしていなければならないはずだったのに、シーズン当初の負けが凶兆だった。

-ですが、今ベンフィカはまた素晴らしいフットボールをし始めました。ポルトガルカップ、リーガカップ、ヨーロッパリーグの3つのタイトルを狙っていますが、チーム2度目のポルトガルカップは獲れそうですか?

S:そうだね。僕たちは良い方向へ向かってると思う。それらのカップ戦の難しさは知っているけれど、でもチームはとても競争力が高いし、ヨーロッパの大会でも良い結果を出したいという意欲が充分にある。アイントホーフェンでも勝つつもりでいるよ。

-PSVは難しい相手ですか?

S:そうだね、難しいよ。決勝に近づけばどの相手も難しくなってくる。ヨーロッパリーグはファンがとても期待していると思うし、みんなこのタイトルを祝いたがっている。僕たちは決勝まで全力で戦う準備ができているよ。

-65,000人のファンがこのスタジアムで応援している時、ピッチの中でどんな気分になりますか?

S:それはよく友達や家族からも訊かれるんだ。ピッチに入って上を見渡して、ファンの人たちを見た時にどう感じるのかってね。ファンはとても熱心だ、良いプレーのときも悪い時も…。でもこういうのは本人たちが感じるべき感情だから、説明するには…。とても素敵だとか、他と比べるのは難しいと言うことはできるけれど、でも実際にはその立場になってみないとわからないものだしね。時々、何で自分がここでこうしているんだろうって思うことがあるよ。他の誰かじゃなくて、何で自分がここにってね。でもだからこそ…、フットボール選手としての時間はそれこそあっという間に過ぎ去るから、この瞬間を楽しまなければならないと思うし、誇りに思ってる。

-ではゴールをあげた時はどうですか?

S:たまに自分でもどこに向かってるのか分からずに走ってることがある。さっきも言ったように、説明するのは難しいね。まるで自分が自分の身体じゃないような感覚になるんだ。走ったり、叫んだりして、チームメイトが駆け寄って来て…。ゴールをあげてスタンドの上の方を見るとみんなが祝福してくれていて、何かをピッチに投げ込む人もいるし、隣りの人と抱き合ったり、家族連れで赤ちゃんもいたり…素晴らしいよ。言葉で説明するのは難しいね。その場にいないと。

-サビオラ、これまでベンフィカで一番思い出深いシーンは?

S:これまでで、ベンフィカでいちばん幸せな時はたぶん(優勝時に)みんなでバスに乗って…

-ピッチの外でなんですね(笑)

S:ハハハ…(笑)

-でもそうでしょうね。忘れられない出来事だった?

S:そう、その時みんなの顔を見て…

-アルヘンティナではそんな経験なかった?

S:いいや、アルヘンティナではこういうのはないよ…いろんな面で危険だからね。

-マドリードでも優勝して、ファンが祝福したでしょう。それよりも凄かった?

S:そうだね、人の集まり方が凄かった。僕たち選手も見ていて信じられない光景だったよ。遥か遠くの方を見てもまだ人が大勢いて、「いつ途切れるんだ?」って言ってたくらいだからね(笑)。でも素晴らしい経験だった。優勝してシーズンを逐えて、ファンが喜ぶ姿を見ながら終わるなんて…

-これまでで最も印象深いゴールは?

S:ええと…(ふうーっと息を吐いて考える)

-最も美しいと思うゴールはどのゴールでしょうか?

S:最も美しかったゴールは、ナシオナル戦でのキーパーの頭上を越すゴールかな。でも最高に喜んだのはポルト戦のゴール。ルスでの1-0の勝利で、雨が降っていた日の…

-重要性という意味でも…

S:そうだね、重要なゴールという意味でも、もちろんそう。選手は誰でも最大のライバル相手にゴールを決めたいと思うものだからね。それは確かだ。それにファンもそういった相手に対するゴールには感謝してくれるし…。

-サビオラ、あなたはチームと一緒に最近調子が上がって来ているようです。フィジカル面も絶好調のようですし、シーズン最後の大事な試合に向けて、再び万全のコンディションでいけそうですか?

S:今シーズンは今までと少し違った。最近もあまりしっくりこなかったんだ。フィジカル面というわけじゃなくて、フットボールの面で…ミスパスも多くなっていたし。でも今は良くなって来たと思うし、自信も出てきた。フットボール選手にはよくあることだと思う。できればメッシやクリスティアーノ・ロナウドのように、一年を通じてほぼ一定のレベルでできればいいんだけれどね(笑)。でもこのシーズン最後に向けてチーム全員が好調であって欲しいよ。1人の選手が好調でもヨーロッパ・リーグは獲れないし、僕たち全員がうまく行って、フィジカル面でもそうだ。恐らくポルトガルリーグとELの違いは、試合の最後の方だと思う。先日のPSG戦でも僕たちは終盤に疲れていた。だからフィジカル面でもフットボール面でもうまくいって、期待してくれている多くのファンに喜んでもらいたい。

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-あなたは長い間フットサルをやっていましたね。フットサルでの経験がフットボールに活きている点は?

S:んー(←本当に「んー」と言ってました)、たくさんあると思うけれど、一番は狭いスペースでの動きかな。フットサルはフットボールのように広いスペースがないから、空いているスペースを見つけなければならないし、素早く判断しなければならない。フットボールみたいに考える暇すらないからね、数メートルも間隔が空いているわけじゃないから。だから狭いスペースでの動き方を学んだのが今フットボールでとても活きていると思う。

-毎週日曜日にベンフィカのユニフォームを着ることは、あなたにとってどんな意味を持ちますか?

S:誇り。これだけ大きなクラブの一員という誇りだね。ここに来る前は、このベンフィカというクラブの実際の大きさは分からなかったけれど、時が経つにつれてファンの愛情をより強く感じるし、ベンフィキスタの考えていることがだんだんわかってきて、クラブへの愛着が涌いてくる。フットボール選手のキャリアの中で、こういったことはとても素敵なことだよ。もし選手があまり居心地のよくないクラブにいて、プレー時間が持てず、ピッチに入りたいという意欲も失ったら難しいよ。でも僕に起こったのはその全く正反対だね。

-クラブの“ミスティカ”についてはどうですか。“ミスティカ(Mistica)”の意味は知っていますか?

S:いいえ。

-クラブの“alma(魂)”のことです。クラブの輝き、愛、etc.(すみません、一所懸命ポルトガル語で説明してくれているのですが、わたしには詳しいことがわかりません…汗)これらを総じてミスティカと言います。

S:なるほど。最初にこのクラブに着いた日に、クラブに対する特別な感情には気付いたよ。クラブと契約を結んで、その翌日にフットサルの試合を見学に行ったんだ。あの優勝を決めた試合で…

-そこであなたの名前が連呼されましたよね。

S:そうそう(笑)。

-どう感じました?

S:とにかくもう訳がわからなかった。あの時は「フットサルの試合を観に行こう」と言われて、僕たちだけしか観客はいないと思ったら観客席はもう満員で、ファンは熱狂してるし、そこで自分の名前が叫ばれるのを聞いて、「このクラブはすごい」と思ったんだ。あの時にあなたの言う、“ミスティカ”を実感したよ(笑)。

-インターバルに入る前に最後の質問です。“エル・コネホ”というあだ名はどうして付いたんですか?

S:そのあだ名を付けたのはヘルマン・ブルゴスなんだ。アルヘンティナでね。彼は新しい選手が入ってくると必ずあだ名を付けるんだよ。誰も逃げられないんだ。最初に僕の走りを見た時、「おまえはコネホだ」って言われて、それ以来ずっと今も残ってるんだよ(笑)。


* * *
後半へつづく。
To be continued…


by la_fraise7 | 2011-04-07 19:52 | Comments(0)
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