サビオラ、誕生日前インタビュー
11,12,2005 Olé
ーハビエル、願い事3つして。
ー…
ーそれで?
ーそれでって?
ー願い事は?
ーNoooooo、誕生日は明日だよ。誕生日前に祝い事をすると不吉だって言うでしょ。まあそれを信じてる訳じゃないけれど、ちょっとね…。それに、願い事は心の中に留めておくよ。
家族の思い出は失っていない。サビオラ家の長男は、1981年12月11日夜11時に産声をあげた。8ヶ月生まれ。彼の早熟さは母親に病院へ向かわせる余裕を与えず、友人の助けを借りてベルグラーノの自宅で生まれた。2,400キログラム。パパのカチョがハビエルという名を選び、叔父に敬意を表してペドロと名付けられた。
ー明日は特別な試合だね?
ーうん、もちろん。誕生日だからそう言ってるの?(笑)
ーそれもあるし、他のユニフォームを着てカンプノウに戻る意味でもね。
ーそれに初めてだね。嘘はつけないよ、もちろん特別な試合になるよ。不思議だな。バルセロナでは素晴らしい時を過ごしたんだ。たくさんの友だちや知り合いと再会するだろうな。モナコへ行った時も今でも、彼らとはずっと連絡を取り合っているんだよ。あそこで何年もプレーしたことは、忘れられない。実際に僕のパスは今もバルセロナのものだし。でも、セビージャの勝利のために明日は全力を尽くすさ。
ーリベンジかい?
ー個人的なリベンジなんて気持ちは全くないよ。こんなめったにない試合を、そんなことでつまらなくしたくはない。誰にも恨みはないんだ。僕はあそこでプレーして、3年間で60ゴールをあげた。そして今は違った大切なクラブにいる。目の前のことを見なければいけないし、僕はここでとても愛されていると感じているよ。
ーゴールしたいと思ってる?
ーゴールしたくないフォワードなんている?そのために練習して、プレーしているんだよ。それに、それが僕が雇われてる理由でもあるからね。でも、相手がバルセロナだからとか、どこのチームと対戦するというのは関係ないよ。今はセビージャに尽くさなければならないし、このユニフォームに全てを捧げなくては。僕を信じてくれているファンや、幹部の人たちのためにも。
ー誰かとユニフォームを交換するつもり?
ーたぶんね。本当はチャビとしたかったんだけれど、怪我をしてしまったんだ。彼は友だちだから、怪我したなんて聞くと辛いよ。でも、他にもバルサには高いレベルの選手がたくさんいる。ロナウジーニョ、デコ、メッシも実力を発揮しているし…いつも同じアルゼンチンの選手には上手くいっていて欲しいな。
ーセビージャで続けるつもり?
ーUy、まだシーズンは半分も残っているよ。一番大切なことは、セビージャに来たことを後悔していないこと。本当に幸せだと感じさせてくれるんだ。ここの人たちはとても親切で、陽気だ。それにチームメイトたちは最初から、僕が新しいクラブに慣れるように手伝ってくれた。チームはとってもまとまっているし、ここにいてとても快適なんだ。
ーどうしてバルセロナに残れなかったんだろう?
ー分からないよ。僕もハッキリと聞かされていないんだ。
ーしばらくゴールからも背を向けられていたね?
ー1つ入れば続けて…って言うでしょ?その通りになることを願うね。ゴールすることばかりに気を取られてはいないんだ。努力を続けていれば、いずれはついてくるものだと思う。重要なのはチームが勝つこと。それなら落ち着いてゴールを待てるでしょ。
ーそれにサラゴサ戦の後から、ひと月に5ゴール決めたよね。
ーうん、あれはとても自信になったよ。でも、いつでも落ち着いてはいたけれどね。
ーもし明日ゴールしたら、叫んで祝うかい?
ー計画なんかたてたことは一度もないよ。自然に生まれでてくるものだから。
ー最近は代表にも選ばれているね。競争は激しいけれど…
ー僕はいつもワールドカップを夢見ている。A代表としての、最初のワールドカップ出場をね。そのためには試合に出続けて、ゴールをあげて。
ーアルゼンチンは嫌なグループに入ったね。
ーワールドカップに出てくるチームは、どこも強豪さ。相手がどこでも、勝たなければいけない。
“セビージャの冬は短くて寒いという話だけれど、夏があんなに暑いなんて!窒息しちゃうよ。”ハビエルはそう説明する。この夏の暑い日に、心からの笑顔でセビージャに現れたその瞬間から、ファンは彼を温かく迎え入れ、今では来年の夏に完全移籍させるよう、会長に訴えている。サビオラは町の名所に心を掻き立てられ、イタリア人のエンツォ・マレスカと友人になり、アンダルシアにぜひ留まりたいと思っている。
ー街には慣れた?
ーうん、とても早い段階でね。すごく気に入っているんだ。カテドラルはすごく印象的だな。世界で一番大きなゴシック聖堂なんだって。ここの人たちは温かいし、陽気で音楽好きなんだ。ガスパチョとかメヌードという食べ物もあるみたいなんだけれど、まだよく知らないんだよね。へへ。
このインタビューも終わりに近付いた。まだ彼の願い事を白状してもらってない。
ー願い事を言う気になったかい?
ーいいや。でもボールに関することじゃないよ。満足した?