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え ぷるりぶす うぬむ * el conejo de la suerte

スペイン道中膝栗毛

弥次さん:「ホラ、3日もニュースを空けると、この世の中は色々変わってるねえ」
喜多さん:「弥次さん、あんたの言う“色々”たあ、どうせサビオラ関連のこったろうよ。ちったあ日本国内のニュースにも目を向けたらどうだい」
Y:「だが、ここはサビオラのブログだぜ。彼のことを話してなにが悪いってんでえ?」
K:「ちげえねえ。ところで、何がどう変わったんだい」




Y:「…そう言われてみりゃあ、大して変わってねえ気もするし…よく分らなねえってのが本音だな。abcがわざわざドイツまで行って、サビオラ本人のインタビューを取ってきてたがな。話を総合すると、要は代理人も彼も、クラブがそれほど彼の獲得に積極的じゃねえことに気が付いたんだそうだ。“結局、彼らは僕をそんなに欲しがってなかったんだ。”っていう彼の言葉が身に沁みるねえ」
K:「思い起こせば、去年の8月にレンタルが決まった時も、買い取りオプション無しという契約内容だったよな」
Y:「お、喜多さんすごい記憶力だねえ」
K:「よしない。照れらあ」
Y:「会長は、移籍の記者会見場でサビオラのことを“ケーキの上に乗せる苺”と表現してなかったか?」
K:「苺とは言ってなかったけれどな、そんなことを言ってたよな〜。要するに、センテナリオの目玉が欲しかったんじゃねえのかい?」
Y:「それじゃ、去年の秋からずうっと事あるごとに“ここに残りたい。”と言っていたサビオラがちとかわいそうじゃねえか」
K:「まあ、この世界はそんなものじゃねえのかい。フットボールの世界に、“永遠”なんてものは無いのさ。マラドーナのようになる以外はな。すべからく諸行無常よ」
Y:「なんだあ、抹香くせえ事を言うなあ、喜多さん。それじゃあ一体、サビオラは今後どうするのさ?」
K:「とにかく、ワールドカップが終わってみないと分らないんじゃないか。焦っちゃあ、とってもいけねえよ。セビージャは何のコメントも出してないし、代理人はオファーはあると言っているが、現実には厳しそうだけどな」

Y:「前々から噂の絶えなかったアトレティコはどうなんだい?」
K:「アグエロが決まった以上、それは無いだろ。あまりにも2人のキャラクターは似過ぎてるよ」
Y:「じゃあ、会長とずっといい関係が続いているエスパニョルの線は?」
K:「あそこは、先日会長が“選手を売る必要はない”と宣言してたしな。売らないなら買わないだろう」
Y:「バルサがビジャレアルのフォルランとのトレードに、サビオラを使うという話もかなり囁かれてるけど?」
K:「ビジャレアルの希望の金額とはまだまだかけ離れてるからな。まあ、可能性はあるかも知れんが、わからねえな」

Y:「喜多さん、ところでセビジスタたちはこの件をどう受け止めてるんだい?」
K:「ああ、確かに関心はすごいな。オフィシャルのforoをのぞいたら、メッセージが700件を超えてたんで、途中で読むの諦めちまった。でも、そうだな、思ったよりも冷静というか、次ぎに誰が来るかに関心が移ってる気がするぞ」
Y:「そんなもんなのかねえ。確かに、シーズン中も期待外れみたいな声はちらっと聞こえてきたが、シーズンの出遅れや怪我もあった中で、あれだけ頑張ったのによ。何とも冷てえ話じゃないか。前半戦の17試合でわずかに1得点、後半は12試合で8得点。UEFAで彼の6得点がなければ、間違いなくカップは取れなかったはずじゃねえのかい」
K:「そもそも1次予選のマインツ戦で、ホームで0−0のあと、ドイツでいきなりの崖っぷちだっただろ。あの試合でサビオラが初スタメン、カヌーテとのコンビで0ー2で勝ったんだよな」
Y:「あー、何だか遠い昔のことみたいだねえ。ソシエダとの大逆転劇も、セルタ戦での貴重なゴールも、バレンシア戦での決勝点のパスも、マドリ戦での2ゴールも、もう忘れられたのかねえ。春の夜の夢の如しじゃないか」
K:「おやおや、弥次さんまでなんだい。琵琶の音でも聴こえてくらあ。いや、でも中には彼に感謝したり、何が何でも残ってくれ、というファンも大勢いるよ。有名になって出て行きたがる選手ばかりの中で、ここに残りたいと言ってくれる良い選手を追い出すとは何ごとかってね、べらぼうめ」
Y:「それを聞いて少しは救われたよ。サビオラも、インタビューの中でセビージャのファンに感謝しているって言っていたね」

K:「弥次さん、そろそろ終わりにしようや。彼は今ドイツで毎日張り切っているそうじゃねえか。何しろ、ここまでスタメンを勝ち取ってきてるしな」
Y:「そうだな。こんなこと言っちゃあ元も子もないが、意外と言えば意外だったなー。最初はスタメンはテベスだと思ってたよ。彼もシーズン中は大活躍だったしな。その内サビオラにもチャンスが来るとは思ってたけれど」
K:「おめえさん、ペッケルマン監督のセリフを聞いてねえのかい?オフレコだったけれどな、何でサビオラなんだって言ったら、彼はひと言、こう言ったそうだよ。“Es fenomeno”(彼は素晴らしい)ってな」
Y:「そいつはいいや」
K「まぁ、まだまだ油断は出来ねえが、なにはともあれ、彼も頑張ってるって事よ。」
Y:「そうかぁ、じゃあNancyにも頑張ってもらって、オレ紙のサビオラ&テベスのインタビューを訳してもらいたいもんだな」
K:「彼女に伝えとくよ。さあ、弥次さん。そろそろ桑名辺りだ。焼きハマグリでも食べて、ひと休みするかい」
Y:「そいつはいいや。払いは喜多さんでな。よっ、男前」
K:「おっと。その手は桑名の焼きハマグリよ(笑)」

ーおしまいー
《作:Nancy 監修:Manzana》

* * *
エー、お断りしておきますが、この書き方のヒントは蹴球計画さんから頂きました。だってえ、直接書くのがイヤだったんだもん。だから弥次さん喜多さんコンビにご登場願いまして、代弁してもらいました。現地のファンの人たちの言葉にいちいち傷付くのはもう止めた。一方で、サビオラに何が何でも残って欲しいと、応援ブログを立ち上げてくれたファンもいる。サビオラを批判する人たちに『彼を批判する奴らは、オレたちと同じ試合を観てないんだよ。』と言ってくれたセビージャファンの方、ありがと。このセリフは私の中では、今年の流行語大賞です。

1年間、あなたたちと一緒にセビージャを応援出来て、すごくすごく楽しかったよ。
とにかく今は、ワールドカップに専念しなくちゃね。
by la_fraise7 | 2006-06-04 00:00 | memorias(回想録) | Comments(0)
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